10月20日(月)、埼玉東部消防組合の救急隊とともにワークステーション型ドクターカーの合同練習を行いました。ドクターカーの要請があった想定のシミュレーションと今年度のドクターカー出動実績についての症例検討会などを行いました。
ワークステーション型ドクターカーとは、当院に併設されている、常駐型救急ワークステーション(救急隊)との連携を図り、運用しているドクターカーです。消防署が所有する救急車(高規格救急車)に必要に応じて当院の医師・看護師が同乗して、救急現場に出動することで、緊急度や重症度の高い患者さんを病院外で早期に診療開始ができ、救命率の向上や後遺症の軽減が期待できます。
ドクターカーの目的
- 医師による、医療介入・決定的治療までの時間短縮
- 救急隊では不可能な高度な医療の提供
- 治療方針決定の前倒し
ワークステーション型ドクターカーの仕組み

- 119番入電:119番入電時に通信指令担当がキーワードに定める内容を覚知した場合
- ドクターカー出動要請:現場の指揮官が医師による医療行為などが必要と判断した場合
- ドクターカー出動:救急ワークステーションにおいて救急ワークステーション担当または 救急隊長が医師による医療行為が必要と判断した場合
今回は「内因性疾患」「交通外傷による高度意識障害」の疑いの2症例に対し、ワークステーション型ドクターカー単独で出動した場合を想定して訓練が行われました。
〇病院出発~病院着までの一連の流れを確認
救急の現場指揮官が医師による医療行為などが必要と判断した場合に、当院へ要請コールが鳴ります。病院出発~現場~処置~当院へ搬送決定・病院着~引継ぎまでの一連の流れをシミュレーションしました。ドクターでの活動はZoomを用いてリアルタイムで救急ワークステーション内に共有され、救急車内での準備・車内での処置などを確認しました。

〇ドクターカー単独で現着&処置
傷病者や現場状況の観察、救急の通報者へのヒアリング、可能な範囲の応急処置、救急車内への収容などを実践。ドクターカー単独での現着のため人数や資材も限られる中、迅速な対応と判断が求められます。専攻医の山口医師がポータブルエコーで傷病者の観察を行っている様子。

〇病院着~引継ぎ
病院到着後は、病院に待機している医師・看護師各スタッフへの引継ぎが行われます。傷病者の症状、現場の様子などをはじめ様々な情報を簡潔に伝えていきます。


看護師が先に車内へ乗り込み、処置のための準備を行います
(この後、安全に配慮しながら、病院内を走行しました)

貴重な経験ができるのも、常駐型ワークステーションが併設している当院の強みでもあり、救急隊との連携も一気に深まります


ドクターカー同乗経験のある看護師がレクチャーする様子
今後も定期的に合同訓練を行い消防との連携強化を図るとともに、消防との連携を強化し、より質の高い救急医療提供につなげてまいります。






