皆さまに健康な毎日を送っていただくために、当院の職員によるさまざまな健康情報をお届けします。

あなたの「肝臓」は大丈夫?

肝臓は右の肋骨に守られるようにして存在し、人の体の中でも最も大きい臓器です。体重の約50分の1を占めており、成人男子では約1.0kg~1.5kgほどの重さがあります。
肝臓では主に以下の3つの働きがあります。
1)代謝:栄養素を分解・合成し、エネルギー源として利用したり、体に必要な物質を作りだします。
2)解毒:アルコールや薬物・老廃物など、殻によって有害な物質を分解・無毒化し、体外に排出します。
3)短銃の生成・分泌:脂肪の消化を助ける胆汁を生成し、十二指腸に分泌します。

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われています

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われており、肝臓は異常が現れても痛みなどの症状を出すことがあまりありません。そのため肝臓に異常が起こっても気付きにくく、異常に気付いたときには病気がかなり進んでいる場合があります。沈黙の臓器と呼ばれているだけに定期的な健康診断などで自分の肝臓が正常に機能しているかどうかを確認することが重要です。
肝臓を弱める原因はお酒の飲みすぎばかりではありません。睡眠不足、食べ過ぎやストレス、運動不足など、誰しも身に覚えのある日常生活の中にあるのです。

肝臓から糖尿病やメタボリックシンドロームへ

脂肪は肝臓を経由しないとエネルギーに変わりません。そのため肝臓に負担がかかり、働きが低下すると内臓脂肪が燃えにくく、かつ減りづらくなり、メタボリックシンドロームや糖尿病へとつながります。

肝臓には脂肪がたまりやすい

食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足によって余った脂質や糖質は中性脂肪に変わります。それが蓄積され肝臓の30 %を超えた状態が「脂肪肝」です。脂肪肝は生活習慣病の発症進行の原因となる上、肝炎や肝硬変にもつながります。

お酒を飲まなくても油断大敵!

脂肪肝はお酒を飲む人特有の疾患だと思われてしますが、肥満や生活習慣病を原因として発症するケースが増えており、非アルコール性脂肪肝と言われています。

見た目がスリムでも油断大敵!

日本人は、欧米人に比べて皮下脂肪に脂肪を貯蔵しづらく、肝臓に脂肪がたまりやすい体質です。そのため、一見して肥満体型でなくても脂肪肝になる可能性があります。

肝臓をいたわる生活で健康を維持しましょう

  1. 脂質・糖質の摂り過ぎに注意:摂り過ぎた脂質は肝臓に貯蔵されます。また、糖質はご飯・パン・麺などにも含まれます。
  2. 適度な運動をしよう:適度な運動(目安は1日30分歩く)を心がけましょう。
  3. 腹八分目を心がける:お腹がいっぱになる前に、やめる週間をつけましょう!

アルコールを飲むときのポイント

健康に悪影響を及ぼさないアルコール摂取量は、1日あたり「純アルコール量」換算で、男性20g以下、女性・高齢者で10g以下です。また、お酒のアテ(つまみ)は、魚や大豆製品・野菜料理を選び、油脂の多い揚げ物や肉料理は控えましょう。

▼血液検査で肝臓の数値をチェックしましょう
 ・AST(GOT)・・・ 30 U/L以下が正常
  →肝細胞の破壊で上昇
 ・ALT(GPT)・・・ 30 U/L以下が正常
  →肝細胞の破壊で上昇
 ・y-GT(GTP)・・・ 50 U/L以下が正常
  →飲酒・脂肪肝で上昇