皆さまに健康な毎日を送っていただくために、当院の職員によるさまざまな健康情報をお届けします。

なぜ減塩が必要なのか?

「濃い味・しょっぱいものを食べたあと、のどが渇く」という経験をされたことはありますか?これは塩分のとり過ぎにより体の塩分濃度が高くなることで、体の水分バランスなどを整えるために、体が水分を求めているからです。

ほかにも塩分のとり過ぎにより、体がむくみやすくなるなどもあげられます。

その中でも「血圧」に関係してくる ⚡

塩分のとり過ぎで特に注意したいことは「血圧」です。塩分のとり過ぎは「高血圧」と関連があり、血圧が高い状態を放置すると、脳卒中などの脳血管疾患、心筋梗塞などの心疾患、慢性腎臓病(CKD)などにつながると言われています。

予防のためにも「減塩」が必要となります。

健康のための食塩摂取の目標量

1日の塩分摂取量(食塩摂取量)の基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準 2020年版」によると、男性7.5g未満、女性6.5g未満とまた日本高血圧学会では1日6g未満、WHO(世界保健機関)では1日5g未満としています。

しかし、実際の塩分摂取量の平均は、男性:10.9g、女性:9.3gと、1日約3~4gも多く摂ってしまっています。日本人が1日で摂取する食塩のうち、約7割は「調味料」からといわれており、総じて食塩量が多いのです。

減塩のススメ ~ 今日から減塩をはじめませんか? ~

減塩のススメとして、厚生労働省が「塩分を控えるための12か条」を公表しています。こちらを参考に減塩をはじめてみませんか?

  1. 薄味に慣れよう:だしを活用し、うま味とコクで満足感アップ。鮮度や旬を活かして食材本来の味を楽しむ。
  2. 漬物・汁物に気をつけよう:漬物はいつもの半分量にする。汁物は具材を増やし、スープを残す。
  3. 効果的な塩味の使い方を知ろう:味付けは両面⇀表面だけにする。1品だけしっかり味付けし満足度アップ。
  4. かけずにつけて食べよう:かけ過ぎても止められない。つければ量の調節が簡単!
  5. 酸味を使おう:ゆず、レモン、すだち、かぼすなどのすっぱい果物は香りと酸味が風味付けに役立つ。
  6. 香辛料を使おう:・こしょう、山椒、七味唐辛子、カレー粉などさまざまなスパイス類のほか、焼きのりや青のりもほぼ塩分無しで味に変化がつく。
  7. 香りを使おう:にんにく、しょうが、ねぎ類、青じそなどは香り付けや彩りに最適。
  8. 香ばしさを使おう:焼き物に軽く焦げ目をつけたり、揚げ物にして香ばしさを出す。
  9. 油を使おう:油分は塩味を引き立たせ、薄味でも満足感を与えてくれます。油のコクや風味は熱したときに強くなります。ごまやアーモンドなどを料理に使うとコクがでます。
  10. 酒のつまみに注意しよう:味の濃いつまみは美味しいが、塩分のとり過ぎにつながります。
  11. 練り製品・加工食品に気をつけよう:パン・うどん・ベーコン・ハムなどの塩分は侮れない!
  12. 食べ過ぎ注意:減塩食品でも食べ過ぎればNG。ゆっくり・よく噛んで・少しずつ食べる。

減塩とカリウムの関係

おすすめの減塩方法は「野菜を食べること」です。野菜はカリウムが多くふくまれており、カリウムが体内に入ると、過剰に摂取した塩分を体外へ排出してくれます(カリウムは野菜・果物・いも類に多くふくまれます)

しかし、腎臓病など腎機能が低下している方は、カリウムには要注意です。腎臓の働きが低下すると体内のカリウムが尿から排泄されにくくなり、体内のカリウムが過剰(高カリウム血症)になってしまう可能性があります。腎臓病の方でなくても定期的に薬を服用されている方は、かかりつけ医や薬剤師、管理栄養士による専門的な指導を通じて、ご自身に合った適切なカリウム摂取量を確認することをおすすめします。

料理に隠れた食塩量を知ろう

各料理の食塩量のも参考にしていただき、できるところから少しずつ、減塩をはじめてみませんか?

※作り方や商品により食塩量が異なります