3月27日(木)、埼玉東部消防組合とともにワークステーション型ドクターカーの合同練習を行いました。ドクターカーの要請があった想定のシミュレーションを2症例実施し、消防の指令内容からの準備・ブリーフィングを行い、ドッキング後の処置などの一連の流れを確認しました。

当院に併設されている、常駐型救急ワークステーション(救急隊)との連携を図り、ワークステーション型ドクターカーの運用を行っています。消防署が所有する救急車(高規格救急車)に必要に応じて当院の医師・看護師が同乗して、救急現場に出動することで、緊急度や重症度の高い患者さんを病院外で早期に診療開始ができ、救命率の向上や後遺症の軽減が期待できます。

ドクターカーの目的

  • 医師による、医療介入・決定的治療までの時間短縮
  • 救急隊では不可能な高度な医療の提供
  • 治療方針決定の前倒し

ワークステーション型ドクターカーの仕組み

  1. 119番入電:119番入電時に通信指令担当がキーワードに定める内容を覚知した場合
  2. ドクターカー出動要請:現場の指揮官が医師による医療行為などが必要と判断した場合
  3. ドクターカー出動:救急ワークステーションにおいて救急ワークステーション担当または 救急隊長が医師による医療行為が必要と判断した場合

① 消防からのドクターカー要請のコール
救急の現場指揮官が医師による医療行為などが必要と判断した場合に、当院の医師宛てに要請コールが鳴ります。ヒアリングした内容を救命救急センター内へ共有、医療用バッグなどの準備を行い出発します。

② 救急車内想定でブリーフィング
救急車内では救急隊の他に、当院の医師・看護師が乗車します。現場の救急隊からの状況(傷病者や現場の様子など)の連絡を基に、想定される処置や動きなどを救急隊と情報共有をします。

③ 現場着想定&ドッキング
現場到着後、傷病者の状態確認を行います。現場の状況によっては、先に到着した救急車内へ乗り換えを行う場合もあります。

④ 救急車内での処理
傷病者の状態観察後、救急車内で処置&搬送を行います。場合によっては持病や内服薬で検査や処置方法が変わるので、その対応方法を搬送先の病院へ事前連絡を行います。

1症例目は交通外傷、2症例目は小児の溺水の想定で訓練が行われました。現場の状況を鑑みた対応の判断と共有・傷病者のルート確保の補助依頼など、救急隊・医師・看護師間のコミュニケーション不足などが課題としてあげられました。

今後も定期的に合同訓練を行い消防との連携強化を図るとともに、消防との連携を強化し、より質の高い救急医療提供につなげてまいります。