5月15日(水)に「看護の日」のイベントを行いました。このイベントは多くの方に看護への興味を持っていただくため、看護部が主体となって行われました。

移転後初、イベント形式での「看護の日」

昨年度までは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため「看護の日について」「各病棟など部署紹介」をまとめたポスター掲示のみでしたが、今年はポスター掲示に加え、AED教室、血圧・骨密度測定などのミニミニ身体測定、医師・看護師による講演といった多彩なコンテンツが増えました。当日は、約90名の方々にお越しいただき、多くの方に当院の看護を知っていただく機会となりました。

  • 認定看護師による講演「最期まで自分らしく暮らし続けるために、人生会議(ACP)を始めよう」
  • 認定看護師による講演「誤嚥性肺炎はどんな病気?予防するための方法を知っておこう!」
  • 認定看護師による講演「見て・洗って・体験しよう、手洗いの大切さ」
  • 認定看護師による講演「物忘れと認知症のちがいってなに?どうしたら予防できるの?」
  • ミニミニ身体測定「身長・血圧測定・骨密度測定・inBody」
  • 糖尿病に関する講演
  • AED教室
  • 病棟紹介などをまとめたパネル展示

当院では、来年度も「看護の日イベント」を開催予定です。このイベントを通じ、地域の皆さまが看護についての知識を深め、健康増進や維持に役立てていただけるよう取り組んでまいります。

看護の日ってなに?

5月12日は「白衣の天使」「近代看護の創始者」とも呼ばれ看護師の代名詞になっているナイチンゲールの誕生した日で、世界的に意義深い日となっています。ジュネーブに本部を置く国際看護師協会がこの日を記念して「国際看護の日」と定めました。日本看護協会でもこの日を「看護の日」として、5月12日前後の1週間を「看護週間」としています。「看護の心」「助け合いの心」を育み、看護を知ってもらう機会として全国でイベントが開催されます。

みなさんは、ナイチンゲールの功績をご存じですか?ナイチンゲールは病気の方に寄り添い看護を行っていただけではなく、今日の看護界では当たり前に行われている看護の原点を見出した方です。

フローレンス・ナイチンゲール(1820年~1910年)

ナイチンゲールの8つの素顔

① 著述家・・・晩年執筆活動を行い、多彩な領域の様々な書物を残しています

② 看護の発見者・・・病気から回復するために必要な看護とは何かを述べ、「看護の定義」を明らかにしました

③ 教育者・・・ずば抜けた教育システムをもつナイチンゲール看護師訓練学校を創設し、看護師の教育に着手しました

④ 優れた看護管理者・・・「療養環境の改善」を行い「死亡率の低下」を成し遂げました

⑤ 衛生改革者・・・「感染症は予防できる」と主張。「病棟の清潔」の概念を確立しました

⑥ 病院建築家・・・自ら設計図を作成して、衛生環境を考えた理想的な病院建築を提示しました

⑦ 科学者、統計学者・・・棒・円グラフが一般的に認知されない時代にナイチンゲールは視覚に訴える統計図を考案しました

⑧ 社会改革者・・・慈善事業のあり方を改め貧困者の自立への援助のあり方を提言しました

ナイチンゲールの 『看護覚え書』 は、「看護とは何か」という定義が書かれた人類史上初の書物です。看護師や看護する人のために著した参考書で、当院もこの思想に基づいた看護を提供しています。

看護覚え書

看護の覚え書の内容

① 換気と暖房・・・空気を適切な温度に保ち、換気を十分にすることが大切

② 住居の健康・・・きれいな空気や水、下水口の整備や採光などに気を配る

③ 小管理・・・チームを組んで看護している場合、リーダーが他の看護師の言動に全て責任を持つ

④ 騒音・・・騒音や内緒話など不必要な音は、必要な音よりもはるかに病人に害を与える

⑤ 変化・・・良い環境の変化が気分転換となり、回復につながる

⑥ 食事・・・体調などに合わせて、食べられるようにする方法について注意を向ける必要がある

⑦ 食物・・・栄養バランスの良い食物を摂取することが大切

⑧ ベッドと寝具類・・・こまめにシール交換する肌触りなど患者にあった寝具であることも重要

⑨ 陽光・・・健康維持や回復のためには陽光は必要

⑩ 部屋と壁の清潔・・・こまめに掃除を行い、清潔を保つ

⑪ からだの清潔・・・体を拭くと気持ちもすっきりして回復につながる

⑫ おせっかいな励ましと忠告・・・よけいな話をすると、かえって不安を与える

⑬ 病院の観察・・・最も重要なものは観察。表情や顔色、排泄物などを観察して患者の体調がわかる