- 円滑な診療のため、紹介状をお持ちになりご予約をお願いします
- ご予約の上、指定の時間にご来院ください
- 臨時休診により、日程表記載の担当医が不在となる場合がございます
特長
当院泌尿器科は、泌尿器科指導医2名、泌尿器科専門医2名の常勤医師4名でチームを結成し診療・手術を行っています。うち週2日は、東京女子医科大学などからの派遣される非常勤医師で診療を行っております。検査や手術が必要な場合は、その背景や症状、病気の進行度に応じて術後の生活を考えつつ治療法を検討し、ご本人やそのご家族と相談、同意を得て治療方針を決定しています。2022年6月の新築移転とともに導入した手術支援ロボット「ダビンチ」を活用し、積極的に低侵襲手術を取り入れています。近年、前立腺がんの患者さん増加にともない、「人間ドック・健診などでの”再検査必要あり”」とされた方に対し検査を行い、がんの早期発見に力を入れています。
- 年間190件を超える豊富な手術症例があります
- 尿路系のがん、結石、前立腺肥大、尿路感染症など幅広い疾患に対応しています
- 手術支援ロボット「ダビンチ」を使用した、体への負担が少ない手術を行っています
手術支援ロボット「ダビンチ」について
2022年6月の新築移転とともに手術支援ロボット「ダビンチ」を導入し、より患者さんの体に負担の少ない高度な医療を提供しています。患者さんのからだに5-12mmの小さな穴を数ヶ所あけ、ロボット専用の手術器具(内視鏡・メス・鉗子)を動かして行う内視鏡手術です。当科では、4名の医師が執刀医としての資格を持っており、前立腺がん、腎がん、腎盂・尿管がんに対して積極的に取り入れています。
診療に関しては、基本的に各種ガイドラインに基づいた(EBMに基づいた)診断治療を行うことを基本としています。手術が可能な前立腺がん・腎がん・腎盂・尿管がんに対しては内視鏡下・手術支援ロボット「ダビンチ」による手術治療を積極的に行っています。また、ご希望される方にはセカンドオピニオンにより治療法について決定していただくことも推奨しています。尿路結石症に対しても、侵襲の少ない対外衝撃波結石破砕術や経尿道的結石破砕(硬性尿管鏡も軟性尿管鏡もあり)による治療の選択が可能です。
- 体外衝撃波結石破砕装置
- 超音波診断装置
- 体内式衝撃波結石破砕装置(リソクラスト)
- 体内式レーザー結石破砕装置(VersaPulse 30W出力)
- 軟性膀胱鏡
- 硬性尿管鏡
- 軟性尿管鏡
- 電解質溶液下用経尿道的切除装置
- 3D腹腔鏡手術システム
主な対応疾患・治療
前立腺は骨盤深くにある臓器で、膀胱のすぐ下に位置し尿道を囲んでいます。前立腺は精液の一部を産生するなど男性の性機能に重要な役割を担っています。特徴としては、50歳以上の比較的高齢男性に発症すること、男性ホルモン依存性(男性ホルモンががんの増殖に関係している)であることが特徴です。前立腺生検という検査が診断には必要であり、治療法は患者さんの状態、前立腺がんの病気に応じて、手術療法、放射線療法、ホルモン療法から選択されます。
前立腺がん▼当院の実施可能な治療内容
ロボット支援手術「ダビンチ」
化学療法
内分泌療法
腎細胞がんは腎実質から発生するがんです。約80%の腎細胞がんは症状を伴わず、CTや超音波検査などの画像診断で偶然発見されます。腫瘍が大きくなければ、腫瘍のみを切除し腎機能を温存する「腎部分切除術」が標準的治療であり、当院ではダビンチを用いることで安全に手術を行うことが可能です。一方、血尿、腹部腫瘤、疼痛、発熱、貧血、食欲不振、体重減少などの症状が発生してから発見される腎細胞がんは、転移をともなう進行がんであることが少なくありません。従来、進行性腎がんに対する治療薬は限られていましたが、免疫チェックポイント阻害薬の登場と分子標的薬の発達により治療成績は向上しており、当院でも積極的に治療を行っています。
腎細胞がんについて▼当院の実施可能な治療内容
内視鏡手術
手術支援ロボット「ダビンチ」
化学療法
腎盂(じんう)・尿管は、尿が腎臓で生成された後の通り道です。ここにできる腫瘍は尿路上皮がんと言って、膀胱がんと同様の組織です。症状としては血尿が多いですが、腫瘍によって腎臓からの尿の流れが障害され、腎盂が腫れる水腎症で見つかることもあります。治療は腎盂がん・尿管がんともに、腫瘍部分だけではなく、病気のある側の腎尿管全摘除が標準的です。
腎盂・尿管がん▼当院の実施可能な治療内容
内視鏡手術
手術支援ロボット「ダビンチ」
化学療法
膀胱がんは膀胱粘膜である尿路上皮から発生します。ほとんどの膀胱がんは痛みも伴わず突然の血尿から見つかりますが、頻尿や排尿時痛などの膀胱刺激症状で見つかることもあります。尿道から内視鏡を通して行う手術が一般的で、診断によっては「膀胱内薬物注入療法」が必要になります。進行しているがんでは、膀胱を摘出しなければならない場合があり、転移を伴う場合には化学療法が適応となります。当院では標準的な治療を提供いたします。
手術支援ロボット「ダビンチ」による手術も有効的で、従来行っていた腹腔鏡手術と異なり、人間の手の関節以上に自由度の高いロボット鉗子を用いることで、膀胱周囲組織の精密な切開や、膀胱の摘出、リンパ節郭清などの手技をより正確に早く行うことが可能です。当院でも昨年度より開始しており、膀胱がんに対するダビンチ手術の認定施設となる予定です。
▼当院の実施可能な治療内容
内視鏡手術
手術支援ロボット「ダビンチ」
化学療法
副腎は腎臓の上部に位置し、ヒトの生命維持に欠かせない多様なホルモンを分泌する内分泌臓器です。その副腎から発生した腫瘍が副腎腫瘍で、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。ホルモン過剰分泌を引き起こした場合に、高血圧・電解質異常・代謝異常・発汗などの症状を引き起こします。当院では糖尿病・内分泌内科と連携して血液検査、画像検査などで確実な診断を行います。治療としては腹腔鏡下切除が一般的で、当院でも行っております。
精巣腫瘍は精子をつくる細胞ががん化したものです。転移がなければ精巣を摘除する手術を行い、転移がある場合は、抗がん剤を使った化学療法と外科的手術を行います。
尿の通り道にできた結石で、場所により腎結石、尿管結石、膀胱結石といいます。十分な説明を行ったうえで体外衝撃波砕石術(ESWL)や経尿道的内視鏡手術(TUL)を行っています。
前立腺が加齢に伴いだんだんと大きくなり、尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気です。特に就寝後にトイレにいく回数が多くなる(夜間頻尿)ことで始まることが多く、尿の勢いが弱くなったり、排尿後も残った感じがしたり、切れが悪くなるなどの症状が現れます。従来は薬物療法が主体で、効果の不十分な場合に手術療法を提示することが一般的でした。しなしながら近年、前立腺肥大症の治療法の発達はめざましく、前立腺を切除せずに治療を行うことも可能になりました。当院でもレーザー手術をはじめとした方法で様々な大きさの前立腺に対応することが可能です。
尿路感染症とは、尿路に細菌が侵入し感染を引き起こす病気です。尿路とは腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺(男性の場合)からなり、いずれの部分にも起こる可能性があります。もっとも一般的なものは膀胱炎ですが、腎盂腎炎、全率炎、精巣上体炎などの場合には高熱がでることもあります。尿道炎は性感染症が関連することが多いです。尿路結石や排尿障害などが原因となることも少なく、そのような場合には重篤化することもあります。当院では感染症の治療はもちろん、その背景にある病態についても丁寧に評価し、治療を行っていくことを大切にしています。
神経因性膀胱とは、なんらかの原因によって膀胱の神経機能が障害された結果、膀胱機能異常をきたした状態です。脊髄損傷、神経変性疾患、脳卒中、糖尿病性末梢神経障害などがあげられます。原因やその程度により症状は様々ですが、尿意を感じにくい、頻尿、尿漏れ、尿が出しにくい、または尿が全く出せない、膀胱がかたくなって尿を貯められないなどの症状がみられます。患者さんのお話と排尿機能検査、残尿測定、画像検査などで病態を調べ、症状と病態に応じて薬物治療や自己導尿といったカテーテルを使用した治療を行います。当院でも対応しておりますので、気になる症状のある方はご相談ください。
突然起きる強い尿意(尿意切迫感)や トイレに間に合わずに尿失禁をおこすこと(切迫性尿失禁)が主となり、薬物療法を中心に治療を行います。女性の尿失禁(腹圧性尿失禁)に対しては、パッドテストやレントゲン検査により失禁のタイプ・程度を判定し、運動療法・薬物療法を行っています。月に一度女性医師による女性排尿障害外来を行っています。
各種実績
指標 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
外来患者数 | 13,586 | 13,063 | 12,499 |
---|---|---|---|
入院患者数 | 607 | 612 | 579 |
平均在院日数 | 6.7 | 5.9 | 6.4 |
疾患 | 実績 |
前立腺の悪性腫瘍 | 213 |
---|---|
腎腫瘍 | 22 |
腎盂・尿管の悪性腫瘍 | 34 |
膀胱腫瘍 | 149 |
精巣腫瘍 | 2 |
前立腺肥大症 | 5 |
腎臓または尿路の感染症 | 48 |
男性生殖器疾患 | 8 |
術式 | 手術件数 (ダビンチの件数) |
前立腺がん | 25(25) |
---|---|
腎がん(腎部分切除) | 10(7) |
腎がん(腎摘除術) | |
腎盂・尿管がん | |
膀胱がん | 準備中 |
精巣腫瘍 | 2 |
尿路結石 | 51 |
前立腺肥大症 | 5 |
経尿道的尿管ステント留置術 | 164 |
Primary Carcinoid Tumor of the Urinary Bladder:A case report. Acta Urologica Japonica,2022,68(2):53-57,Kana Kano,Ryo Ishiyama,Takafumi Yagisawa,Keiko Odani,izumi Kanemitsu,Hiroshi Kobayashi,Hideaki Oda