正常圧水頭症とは

脳や脊髄は髄液(脳脊髄液)という液体に包まれて存在しています。正常圧水頭症は、この髄液の産生・循環・吸収などのバランスが崩れた時に生じます。バランスが崩れて頭の中に髄液が貯留すると髄液が溜まっている脳室が拡大し、その影響で認知機能の低下や歩行障害、尿意がわからなくなり失禁するなどの症状が現れます。正常圧水頭症は60代、70代以降の高齢者に生じることが多く、「治せる認知症」の代表疾患です。

当院における治療方法

タップテストという検査で腰から髄液を一定量抜くことで、認知機能や歩行障害が改善されれば診断がつき、手術で治療できます。手術は「シャント手術」と呼ばれるもので、チューブを体内に挿入して脳室内の過剰な髄液を腹腔内や静脈へ流すための通り道を作ります。シャントバルブという髄液の流量を調節できる小さな機械をチューブと共に体内に留置することがほとんどです。病気を完治させることはできませんが、認知症や歩行障害を緩和することができます。