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特長

当院は日本神経学会の准教育施設として神経救急疾患から慢性神経免疫疾患、神経変性疾患まで幅広い神経疾患に対応しています。脳神経内科は主に以下のような症状に対して診療を行います。

  • 意識障害/ 頭痛/けいれん/ふるえ/めまい/手足の運動まひ、筋力低下/手足の感覚障害(しびれ)/ものが二重に見える/ろれつ困難/むせやすい/失神/物忘れ/失語/歩行異常/排尿障害/BPSD

症状にあわせて、血液検査、CT、MRIなどの画像検査、脳波、筋電図検査などを実施し、必要に応じ髄液検査、筋生検などを行い正確な診断に努めます。神経疾患と思われる症状でも、全身疾患の一つの側面の場合があります。一方、画像診断で異常が見られない症状は、問診および神経学的診察を行い、病変部位を明らかにします。そのため当科の受診をおすすめします。

治療方針

  1. ガイドラインに基づく診療
    各疾患の診療ガイドラインに準拠した適切な検査・診断・治療の実施
  2. 高度専門医療機関との連携
    高度専門医療機関との連携/セカンドオピニオン紹介
  3. 地域医療機関との連携強化
    かかりつけ医からの紹介/逆紹介を積極的に実施
  4. 患者さんのQOL向上
    適切な治療による日常生活の質(QOL)向上
    かかりつけ医や介護保険制度とも連携し、通院負担など2025年問題(※)に対応
    生活指導やリハビリテーションを含めた包括的なサポート
    入院患者さんについて多職種連携カンファレンスを行い、退院後につながる医療の提供を行う
  5. 生活習慣病への介入と地域医療への貢献
    神経疾患の診療を通じた生活習慣病の予防・管理
    健康寿命の延伸と地域の医療環境の向上
    健診センターと連携し生活習慣病の早期発見、それによる神経疾患の治療効果向上

(※)2025年問題とは
2025年には、団塊の世代(1947~1949年生まれ)がすべて75歳以上となり、日本の高齢者人口が急増します。これにより、医療や介護の需要が一気に高まり、慢性疾患の増加、医療人材の不足、入院から在宅医療への移行など、医療現場にはさまざまな課題が生じると予想されています。これが「2025年問題」と呼ばれています。

主な対応疾患・治療

当院では、各種診断技術と治療法を活用し、患者さんのQOL向上を目指した診療を提供しています。

一般的な疾患(Common Disease)

有病者1000万人。急性期治療としてトリプタン製剤、維持治療として従来の薬剤のほか、新規の抗CGRP抗体製剤を用いた治療の最適化、症状による就学就労の妨げを防ぎます

有病者450万人.。初期診断の精度向上、周辺症状はかかりつけ医や介護保険制度との連携で対応していきます。当院のメディカルソーシャルワーカー(MSW)や地域包括支援センター、ケアマネージャーと連携し在宅医療を推進していきます

有病者100万人。発作型に応じた適切な薬剤選択と治療調整。自動車運転にかかわる法令の案内。自立支援制度案内による治療脱落の予防を行います

有病者15万人。正確な診断、患者さんごとにあった治療を行います

神経救急疾患

早期診断・治療により救命と後遺症軽減を実現

神経変性疾患

発症早期ではRI検査・画像検査による患者自身が納得できる診断の正確性向上を目指します。進行期ではウェアリングオフ・ジスキネジアの早期発見と治療薬調整、デバイス治療の導入をおこないます。また、これらに限らず必要があれば、短期間薬剤調整入院を行います(5~7日程)

診断、適切な薬物療法・リハビリテーション、呼吸障害や不整脈合併でのNPPVや心臓ペースメーカの案内

適切な時期での装具の案内

投薬に加え、機能的脳神経外科治療可能な病院との連携

神経免疫疾患

神経免疫疾患の治療の基本はステロイド剤です。ステロイド治療による骨粗鬆症や容姿の変化、糖尿病に対しても注意して診療していきます。また、近年使用可能となった分子標的薬の投与を積極的に検討していきます。これらの分子標的薬は、一人ひとり投与サイクル間隔が異なるため、患者さんごとに至適な投与法を検討していきます。以下は、各疾患ごとに当院で投与を行っている薬剤です。

FcRn阻害薬、C5補体阻害薬

B細胞除去療法薬、α4βintegrin治療薬

静脈免疫グロブリン療法、皮下注免疫グロブリン療法、FcRn阻害治療薬

IL-6受容体阻害薬、C5補体阻害薬、B細胞除去治療薬

遺伝性神経疾患

siRNA製剤

嚥下障害・誤嚥性肺炎

嚥下リハビリの強化(嚥下体操、電気刺激療法、食事指導)

嚥下機能評価(嚥下内視鏡・嚥下造影検査)

内科疾患における神経症状

意識障害、運動麻痺、痙攣などの適切な鑑別と治療

各種実績

指標 2022年度 2023年度 2024年度
外来患者数 3,986 3,161 2,441
入院患者数 205 137 40
平均在院日数 18.7 15.5 9

指標 4月 5月 6月
PD(パーキンソン病) 11 15  
MS(多発性硬化症) 11 13  
MG(重症筋無力症) 10 12  
CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎) 10 7  
てんかん 9 8  
片頭痛 2 5  
NMOSD(視神経脊髄炎) 5 6  
アルツハイマー 1 5  
ALS(筋萎縮性側索硬化症) 0 1  
EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症) 1 3  
MCI(軽度認知障害) 2 2  

疾患 実績
脳梗塞 2
てんかん 9
誤嚥性肺炎 3
パーキンソン病 6
免疫介在性・炎症性ニューロパチー 1
重症筋無力症

視神経脊髄炎スペクトラム障害における視機能改善と再発予防,第14回 日本視野画像学会学術集会ES1 イブニングセミナー1(2025年5月、埼玉)

補体病として考えるNMOSD診療 〜ユルトミリスとPatient Journey~,尾上 祐行,ユルトミリス  TV symposium(2025年5月、全国配信Web開催)

MG診療における皮下注射製剤(ロザノリキシズマブ),重症筋無力症 治療検討会(2025年5月、埼玉・群馬・長野Web配信)