閉塞性脳血管障害、もやもや病とは
閉塞性脳血管障害とは、内頚動脈や中大脳動脈が動脈硬化により閉塞(時に高度狭窄)している状態を指します。閉塞による脳血流低下や、閉塞時の血栓の飛散により脳梗塞を引き起こします。閉塞性脳血管障害には、症候性と無症候性があります。閉塞性脳血管障害が原因で既に脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)を生じた場合を症候性、生じていない場合を無症候性と呼んでいます。
もやもや病は、その中の特殊な疾患で、内頚動脈、前大脳動脈、中大脳動脈、後大脳動脈といった脳内の主幹動脈が進行性に閉塞していき、脳血流を維持するために脳内の細い血管(穿通枝)が拡張、側副路を形成していく(もやもや血管と呼ばれます)疾患です。進行していく過程で様々な症状を呈し、頭痛、脱力発作、しびれ、失語症などの一過性脳虚血発作、脳梗塞、脳内出血で発症します。
当院における治療方法
閉塞性脳血管障害に対する治療は、第一に生活習慣病のコントロールを目的とした内科的治療が選択されます。内科的治療にもかかわらず症候性となる場合や、脳血流検査で手術適応と判断された場合は手術を行います。開頭手術は、頭皮の血管である浅側頭動脈を脳表の中大脳動脈に吻合する浅側頭動脈~中大脳動脈吻合術が主に行われます。また、近年で血管内治療の進歩により、バルーンと呼ばれる風船による血管拡張術を行ったりウイングスパンと呼ばれるステントを狭窄部に留置することもあります。
