大腸とは
大腸は、全長約2メートルの下部消化管の一つで、大きく結腸と直腸に分けられます。さらに結腸は「盲腸/上行結腸/横行結腸/下行結腸/S状結腸」に、直腸は「直腸S状部/上部直腸/下部直腸」に分けられます。
<結腸の主な役割>
・小腸で消化吸収された食物の残渣物の水分(および電解質など)を吸収して固形便を形成する
<直腸の主な役割>
・直腸の主な役割は便の貯留と排泄
大腸がん
日本人ではS状結腸がんと直腸がんが多いのが特徴です。また、結腸がんの罹患率は50歳代から増加しはじめ、男性の方が女性より多くなっています。日本人は、S状結腸と直腸にがんが発生しやすく、年齢からみると50~70歳代に多いです。男女別の悪性腫瘍による死亡数では、男性では2位(結腸4位・直腸7位)、女性では1位(結腸3位・直腸10位)となっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | ||
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男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸8位 |
男 性 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位 |
女 性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 乳房 | 胃 | 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸10位 |
出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
大腸がんの発生
大腸がんの発生には3つの経路があると言われており、遺伝により発生することもあります。
大腸がん発生の3つの経路
- 腺腫等の良性のポリープから発生する経路
- 正常粘膜から直接的に発生する経路
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)に伴う炎症粘膜から発生する経路
大腸がんの発生は生活習慣と関わりがあるとされています。喫煙、飲酒、肥満により大腸がんが発生する可能性が高まります。また赤身肉や加工肉の摂取も大腸がんの発生する危険性が高くなる可能性があると言われています。運動は大腸がんの予防に効果的であることがほぼ確実であるといわれています。また、食物繊維やカルシウムの摂取も大腸がんの予防に効果的である可能性があるとされています。
大腸がんの症状
大腸がんの症状は、「血便・下血・下痢と便秘の繰り返し・便が細い・便が残る感じ(残便感)・おなかが張る・排便時の腹痛・原因不明の体重減少」といったものが共通の症状で、最もよくみられるのが「血便」です。がんの進行はゆっくりですが、放置した場合は大きくなったがんによる腸閉塞や腫瘍からの出血、他臓器への転移を起こすなど危険が及ぶことがあります。がんを取り除き、そのような危険を回避するために治療が必要です。
早期発見するためには
大腸がんを早期のうちに発見するためには、気になる症状がなくても40歳から「大腸がん検診」を毎年受診しましょう。この検査では、2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査です。がんやポリープなどの大腸疾患があると大腸内に出血することがあり、その血液を検出します。この便潜血検査は、目に見えないような極微量の血液の混入も検出することができます。
そして便潜血検査で陽性という結果が出たら、精密検査を受けてください。大腸がんは早期がんのうちに発見された場合、高い割合で完治するといわれます。進行がんであっても検診で発見された早期のものは、内視鏡で比較的簡単に病巣を切除できるため高い確率で治癒します。
検査方法
大腸内視鏡検査、注腸造影検査、腹部超音波検査、腹部CT検査、超音波内視鏡検査など
大腸がんが疑われた場合には、下部内視鏡(大腸カメラ)検査を行い、組織の一部を採取し顕微鏡で確認することで、診断を確定することができます。大腸がんは、血液やリンパ液の流れにより転移を生じることが知られているため、必要に応じてCT検査やMRI検査などで画像診断を行います。
当院での治療方法
- 内視鏡手術
- 手術支援ロボット「ダビンチ」
- 化学療法
木戸
結腸がんは早期発見が重要です!40歳を超えたら「大腸がん検診」を。便潜血検査で陽性という結果が出たら、精密検査を受けましょう。