脳梗塞とは

脳梗塞は、脳の血管が詰まることでその先に血液が行かなくなり、十分な酸素や栄養分が供給されず脳の細胞が壊死してしまう病気です。脳梗塞が生じる部位により様々な症状が生じ、代表的なものには手足の運動麻痺、呂律障害、失語症、視野障害などがあります。

当院における治療方法

脳梗塞は発症してから時間が経ってしまうと再発予防とリハビリテーションしか治療の選択肢がなくなりますが、発症の超急性期であれば、再灌流療法により症状の改善が期待できます。

再灌流療法(さいかんりゅうりょうほう)とは、閉塞した血管を再び開通させる治療法のこと

再灌流療法には、①詰まった血管の血栓を薬で溶かす「血栓溶解療法(t-PA静注療法)」②詰まったのが太い血管であればカテーテルで血栓を取り除く「機械的血栓回収術」があります。脳梗塞の治療は発症からの時間により治療方法が変わり、発症から4.5時間以内は「血栓溶解療法(t-PA静注療法)」、24時間以内は「機械的血栓回収術」と条件がそろうことで実施可能となります。

当院は24時間365日「再灌流療法」が実施可能です

当院は24時間365日再灌流療法が実施可能な体制であり「一次脳卒中センター」に認定されています。2023年度の再灌流療法の治療実績は「血栓溶解療法(t-PA静注療法)」が50件、「機械的血栓回収術」が62件でした。「血栓溶解療法(t-PA静注療法)」では半数以上の方で症状の大幅な改善が得られ、「機械的血栓回収術」では約1/3の方が退院時に歩行が可能なくらいまで回復しました。

「再灌流療法」ができない患者さんの場合

再灌流療法ができない急性期の患者さんには点滴や抗血栓薬で脳梗塞の再発予防とリハビリテーションを行います。また脳梗塞の原因を精査するため頚動脈エコー、心エコー、ホルター心電図などの検査を行い、頚動脈狭窄がみつかった場合は外科的治療を検討します。また脳梗塞の原因になりうる心疾患(不整脈、卵円孔開存、心房中隔欠損など)が見つかった場合には循環器内科医と連携をとり治療を依頼します。長期のリハビリテーションが必要になる場合は近隣の回復期リハビリテーション病院へ引き継ぐようにします。